ひろが語ると長くなる

本の感想書くために作ったはずのブログなのに割とながーく独り言呟いています。ストピや演奏の解説も当ブログで行ってます。

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ラフマニノフ 前奏曲「鐘」【浅田真央ピアノシリーズ】

私は埼玉公演を観に行きましたが
hirobook.hatenablog.jp
今日で浅田真央サンクスツアーは千秋楽を迎えました。
コロナの影響で公演の延期が続いて長いことツアーをやる事となり、今月の関東での怒涛の公演ラッシュは凄かったですよね。
今日で終わってしまうのは寂しさもありますが、真央ちゃんを始めとしたスケーターの皆さんや、サンクスツアーに関わった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。
感謝の気持ちを込め弾いたラフマニノフの鐘を本日動画公開しました。

↓演奏解説をすぐに読みたい方はもくじから飛んでください↓

鐘は私とピアノをつないでくれていた曲

以前も何度か私がピアノを今弾いているのが真央ちゃんと羽生結弦さんのお陰だと書いたことがあります。
曲としては鐘も重要なキーワードでした。

鐘は私が2007年にピアノを習うのを辞めた時に中途半端な状態だった曲です。
気にはなっていたものの、辞めた以上ピアノを家で弾く気にはなれず、そのままでした。
「もうピアノいいかな…。」そう思って親に処分をお願いしようと思っていた頃、真央ちゃんが鐘を滑ることを知ったのです。
知ってから、ピアノは弾かないものの、処分したいと親に伝えることはなくなりました。
不思議なもので、親も一度たりとも「ピアノを処分していい?」とは聞かなかったのです。
(もう1つ不思議な話といえば、中学生に上がった時にピアノを相当辞めたかったので母に伝えたものの、「文化部に入るなら続けなさい」と怒られ辞めさせてもらえなかったんです。
 今思うと中学生に上がった段階で辞めなくてほんとよかったんだけど。
 このエピソードは母に言うまで母自身はすっかり忘れていたのも不思議な話。)

それから真央ちゃんを見る度に私がピアノを習っていたときに大切にしていた曲を真央ちゃんが滑っていることを知ったり、そのシーズンで使うことを知ったりというのが続きました。
月の光、幻想即興曲、愛の夢、ノクターン…。
そしてその都度鐘が未完成なことを思い出します。
思い出すけど、やっぱり今更練習するなんて…と思っていました。

その流れが変わった時が2016年の7月。
ひょんなことから、大ファンであるゆづ版のバラ1の楽譜がぷりんと楽譜で発売されていることを知ったのです。
物凄くテンションが上がりました。
しかも音が大分省かれているので、私でも弾けるのでは!?と何故か思ったのです。
そして以前習っていた先生にすぐ電話をしました。
普通なら「今更再開したいなんて」とか、「もしかしてレッスンもう受けてないかも?」とか心配になるところだと思うのですが、
私のやる気スイッチを押すことに長けているゆづに押されたので、凄い勢いで再開に流れが変わりました。
ゆづ版バラ1と鐘をレッスンに持っていくことにしました。
(なんだかんだその後本家バラ1もレッスンに持って行かせるゆづってほんと凄い)

私が「ピアノ弾きたい」って心の底から思ったのは小学生以来だったかもしれません。
純粋な弾きたいという気持ちとゆづのやる気スイッチ押しのお陰で、「私は下手だ。上手くならない」という思い込みとブランクが一瞬で外れました。
鐘は久々に弾いた割に指がしっかりと動いて、というか辞める前よりも弾けてて、6割くらいの状態で久々のレッスンに持って行けました。
先生からは「本当にずっと弾いてなかったの?」と2回も聞かれるくらい弾けてたんですよ。

ピアノ再開の日からもうすぐ5年

そんな年にまた鐘を弾くことになるとは思いませんでした。
真央ちゃんの鐘は好きなプログラムだったけど、やっぱりバンクーバーのことを思い出すと辛い気持ちになることもあり、真央ちゃんカラーを出す演奏をするのは控えていました。
でもサンクスツアーで無良くんが3Aも含めて再現してくれているのを知り、いつか無良くん色も入れて弾きたいとは思っていたのだけど、実際に演技を観る機会ができ、サンクスツアーの空気を入れて演奏する機会ができました。

でも再再延期となっていた埼玉公演のチケットの発売が公演日にかなり近かったこともあり、久々に弾く鐘は間に合うのか?と不安がありましたが、一度9年間開いても弾けていた鐘だったので、今回はその半分未満の期間。
どうにか間に合いました。

演奏解説

真央ちゃんの鐘は原曲のピアノソロではなくアレンジが効いているものですが、原曲の楽譜を使い、真央ちゃんと無良くんの色を入れています。
色々ミスタッチ等ありますが、ご容赦ください。

最初の部分(0:01〜1:22)

お馴染み鐘の和音のフレーズの前半部分です。
この部分は真央ちゃん無良くん双方感じますが、やや真央ちゃんのイメージが強いかな。
0:11〜0:34と0:45〜は私の使用楽譜にウナコルダの指示もあったので、ソフトペダルを使っています。
もう少し重さがあるとよかったですね。私の演奏結構元気な気がします。

真ん中の速くなる部分(1:22〜2:05)

こちらの部分は真央ちゃんのイメージで弾いています。
真央ちゃんのスパイラルが力強くて凄く好きで、当時色んなものを背負いながら周りの圧などに屈することなく滑る真央ちゃんの意思を感じながら弾いていました。
この部分、真央ちゃんの音源では2回でてくるのとあまり速くなるイメージはありませんが、テンポは原曲に近いです。
(もう少し速い方がいいとは思うけど、私がこれ以上速く弾いても雑さが増すだけなので、迫力とのバランスを優先しました。)
2:00〜は真央ちゃんの音源に寄せるならあっさり進みたいところですが、最後の無良くんの男らしさにバトンタッチするためにエネルギーを貯めています。

後半の迫力のある部分(2:05〜)

先程も書いたように無良くんのスケートを表現しました。
無良くんの鐘は、力強く男性的だけど決して乱暴ではなく、優しさも伝わるスケートでした。
その優しさを弾いていて感じたのです。
2:27で左右大幅にズレてるのが聴いていてわかると思いますが、意識が飛びそうになったんです。
その瞬間に無良くんが手を差し伸べてくれたのが見えました。
その無良くんの横を、バンクーバーの頃の真央ちゃんが笑顔で通り抜けるのも見えたんです。
「あぁ、仲間っていいなぁ」と思いながら、意識を戻すことができました。

もっとミスの少ない演奏は出来ると思うのだけど、無良くんと真央ちゃんの景色が観える演奏はもう無理だなと思い、この動画を採用にしました。
(ある意味ではサンクスツアーの空気は入れられたとは思います。私が観た197回公演は無良くんのジャンプ凄く綺麗で完璧だったので、それは再現できなかったけど)
そのくらいサンクスツアーで仲間に囲まれ楽しそうに滑る真央ちゃんは素敵だったし、あのバンクーバーの想いを払拭してくれる鐘を滑れるのは無良くんだけだと思ったのでした。
映像が流れる中アクセルを確認する無良くんの気迫は凄く、ゾクッとしたのでした。

最後静かに終わるのは原曲通りです。
サンクスツアーの終わりと労いを込めて。
真央ちゃんの音源は勢いよく終わりますよね。
タラソワさんが真央ちゃんを守るための終わり方なのかななんて思ったりもします。

ありがとう真央ちゃん。ありがとうサンクスツアー

真央ちゃんといえばソチのラフコンも印象が強いし、現に私も大好きなプログラムで現地で泣くくらい感動もしたけど、私の中で真央ちゃんが滑った曲で思い入れのある曲といえば先程語ったようにダントツで鐘。
その鐘を弾く機会をくれてありがとう真央ちゃん。

真央ちゃんのスケートを間近で観られて、楽しむことの大切さを改めて感じて、私も自分らしく楽しんでいこうって改めて思いました。
今日のウエサク満月、明日の冥王星逆光スタートに向けて私の人生はどう変わっていくのか楽しみです。
変化の前兆が揃ったから、変化は確定なので、本来の自分にきちんと帰ります。
私真央ちゃんたちからもらった空気大切にして、ちゃんと活かして生きてくよ!

改めて。真央ちゃん、無良くん、サンクスツアーに関わった皆さん。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
今後も皆さんが皆さんらしく過ごせるよう、願っています。

リチュアルダンス【浅田真央ピアノシリーズ】

先日浅田真央サンクスツアーの埼玉公演を観に行きました。
hirobook.hatenablog.jp
上記記事でも書きましたが、本当に素晴らしいショーでした。
折角なので、サンクスツアーを観て感じたことをピアノで表現したくて、いくつか弾いてみることにしました。

まずは、真央ちゃんが現役最後のシーズンで使った曲である、【バレエ『恋は魔術師』より リチュアルダンス(火祭りの踊り)】を演奏してみました。
この楽譜はいわゆるSPで使った方の黒リチュになります。
服装も黒で統一しました。

楽譜はぷりんと楽譜で購入。
www.print-gakufu.com

全体的に音が少ない曲ですが、音が少なくて速い曲というのは結構難しいですよね。
雰囲気も出しつつバタバタさせない、音を外さないようするというのは色々気を使いますね。

★解説
0:01〜
不協和音が鳴り響いたり、拍が独特だったりしますね。
緊張感やどことなく怪しい雰囲気を意識します。

0:26〜
久々にずっとトリルを弾いてたので指が攣りそうになりました。
(普段はずっとトリルの練習をすることがないのと、撮影しているとどうしても緊張感で家での練習より体が固くなるので)
鐘のような、何かが始まりそうな雰囲気。
0:39から左手が伴奏を奏でるので、いよいよ物語が始まります。

0:45〜
本格的にメロディが出てきます。
緊張感、でも楽しんでいる雰囲気も出しつつ。
0:58からメロディがオクターブ上がります。
左手のソドソドの部分を楽譜通りにきっちり弾くのは女性の手の大きさだと難しいので勢いつけて敢えて少し滑らせます。
(私は頑張って手を開くと10度届く手の大きさですが、演奏できっちり鳴らせるのが9度です。黒鍵9度がギリかな。)
1:08からの右手も敢えて滑らせます。
きっちり鳴らす方がリチュ感が薄れるので好都合。

1:12〜
またトリルが来て、1:19から雰囲気が変わります。
1:25からフォルテなのでペダルを踏み、1:32からピアノなので一旦ペダルをやめ、
1:34からはページを捲るのと右手の音を伸ばすのが長いのでペダルを踏みます。

1:37〜
また雰囲気が変わります。
右手のメロディが音量の変化が多い所なので、左手は勢いをつけつつクレッシェンドやデクレッシェンドを表現。
(でも左手五月蠅かったかな。)
1:43からはスタッカートをしっかり意識。
1:49からは一瞬間を開けてまた左手を滑らせていきますが、1:37の頃より指を開かなくていいのでコントロールしやすくなります。
1:57の右手は疲れで指が回らずミスってます…。
1:59からは楽譜での指示はありませんが、真央ちゃんの使用音源がかなりゆったりしていたので一気にゆったりさせます。
2:02からまた前のテンポに戻して。
2:09からは楽譜の指示にはありませんが、真央ちゃんの使用音源では勢いよく進んでいくところなので、勢いよく弾きます。

2:12からステップですね。
本当は左手はオクターブですが、私がオクターブで奏でると相当バタバタ聴こえました。
右手の音が上がっていくのは相当キラキラさせて弾きたいので、
楽譜に記載がある「このオクターブの音型がむずかしい場合、下の音を弾きましょう」通り、下の音をしっかりと弾きました。

2:21で顔が綻ぶのは好きな振り付けのところに差し掛かったから。
もう少し音が長くてもよかったかな。
2:31から勢いよく終わります。

楽譜を買ってからなかなか上達せず放置していた曲だったので、どうにか千秋楽公演前に弾けるようになってよかったです。
ひろは結界を張る(SEIMEI)に加え、悪魔祓いも覚えました♪
サンクスツアー観ていたら久々に弾きたいクラシックもいっぱい出てきたから何れ…。
ちなみに千秋楽公演の日には私にとっても想い入れのある曲のあの曲を公開します!

youtube.com