謎解きはシェフにおまかせください!シリーズの2作を読んで以来の近藤史恵さんの作品。
瑛子が近所で見つけたカフェ・ルーズは以前同僚だった円が営むお店。
旅先で見つけたものを再現し、出しているという。
(裏表紙より引用)
ということで、10作の連作短編集からなる今作は様々な国の美味しそうな食べ物飲み物が出てくるの。
なかなかあちらこちらへ行けない昨今、こういう作品で世界の食べ物を知るのは凄く楽しい。
今は便利な時代だからすぐ写真も見つけられるので眺めながら読むこともできる。
でも食べたくなっちゃうのだけど🤣
表紙は最初の話の苺のスープだよね。美味しそう!
食べられるって幸せなこと。
それがお気に入りのお店だったり好きな人の料理ならもっと幸せ。
最近食が細くなった私は食べることは栄養を摂るために近いけど、それでも心も満たされる食事ができた時は嬉しい。
コージーミステリ作品ということもあり、ただおいしい食べものが出てきて幸せになるお話ではなく、同時に人間ドラマも沢山見えてきます。
人間、誰しもが悩みや秘密を抱えているのだとは思うけど、この作品ではふんわり優しい悩みだけでなく、凄く重い悩みも出てきます。
仕事関連など身近な題材もあるので、コージーミステリーの中では割と重いなぁと思う作品も多くて。
人に助けられることも、困らせられることもある。
悩み事は家族やパートナーなど近しい人に相談するのが一番良いとはいえ、そうもいかないときもある。
だからこそお気に入りのお店の存在や、何でも話せる人のお陰で救われることも多いよなぁとも実感します。
そういう大切な場や人は守らないとね。
今月親しくしている女性とそういう話になり、私には何ができるかなとずっと考えています。
ラストが意外な感じで驚いたけど、円が幸せそうに生きていて何より。
出てくる食べ物はざっと書いても、苺のスープ、ツップクーヘン、中華菓子(月餅、ホウリンス等)、ドボシュトルタ、セラドゥーラ、ユンヨンチャー、ザッハトルテ、スペキュロス、バクラヴァ、リオレと様々な国のものが出てきて楽しいです。
私も久々にホウリンスを食べたくなって、買っちゃいました。
その時の感想は下記記事へ。
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